commaroto.com

男性の不妊症について

5.男性不妊の治療の実際

治療は、手術、薬物療法、生殖補助医療技術(以下ART)があります。

1)手術
精索静脈瘤がある場合には、手術が行われます。医師が顕微鏡をのぞきながら陰嚢部を切開し、一部の血管を極細の糸で結び切断します。手術後は40~60%のケースで精液所見が改善します。手術後1年以内に妊娠に至らない場合や、精子を造る機能が大きく障害されている場合には、ARTへ進みます。

精子の通り道が閉塞したり欠損したりしている場合、正常な部分同士をつなぎ直す手術をします。しかし顕微鏡下で行うこの手術は国内では技術を持つ医師が少なく、現実的にはARTに頼るケースが多いのが実情です。

2)薬物療法
勃起障害(ED)に対する治療薬は非常に有効ですが、それ以外は治療効果がそれほど高くなく、多くはARTと併用されます。

しかし効果を判定するためには少なくとも3か月、精液所見を改善するビタミンE等では6ヵ月間以上内服しなければなりません。女性の年齢などでタイムリミットが厳しい場合にはARTが検討されます。

3)生殖補助医療技術(assisted reproductive technologyART
体外授精(IVF)や顕微授精(ICSI)を指し、通常、女性の子宮内で起こる受精という現象を体外で補助=アシストする技術のことです。

原因不明の不妊や、他の治療法で効果が薄い、あるいはタイムリミットが厳しい際に選択される最終手段です。

ちなみに人工授精(AIH)も混同されやすいですが、これは精子の数が少ない乏精子症や、運動性が低い精子無力症において、精液を処理(濃縮洗浄など)して子宮内に注入する方法です。受精は子宮内で起こるため、最も自然に近い方法といえます。

人工授精で妊娠に至らない場合、体外受精へと進みます。卵子と濃縮洗浄した精液を体外で混ぜ、受精して細胞分裂が進んだところで子宮内に戻す方法です。受精自体は精子の能力に任されます。

体外受精でも受精率が低い場合、顕微鏡下で卵子に針を刺し直接精子を注入して受精させる方法が顕微授精です。

体外受精も顕微授精も女性の卵巣から卵子を採取しなければならないため、身体的にも経済的にも負担が大きくなります。

  1. 不妊症とは
  2. 不妊症の半数は男性が原因に関与
  3. 男性不妊の原因とは
  4. 男性不妊の検査の実際
  5. 男性不妊の治療の実際
  6. 乏精子症と診断されて ~男性不妊の当事者から~
  7. 不妊症に関する公的支援

 

Copyright © commaroto.com All Rights Reserved.