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男性の不妊症について

6.乏精子症と診断されて ~男性不妊の当事者から~

私は34歳で乏精子症と診断されました。
受診したのは、現在の妻と結婚を意識し始めた時です。

私には離婚歴がありました。最初の結婚では子どもを授からず、幼い頃に尿道下裂の手術歴があった私は、自分が不妊の原因ではないかとずっと不安に思っていたのです。

結婚前に受診すれば結婚も出来なくなるかも知れない。もし精子がゼロと診断されたら…そう思うと、男としての自分を全否定されるような思いがしました。しかし彼女に隠して結婚することだけはしたくありませんでした。将来について話し合う中で、自分としても長年の不安に決着をつける意味で受診の覚悟を決めたのです。

ネットで調べたクリニックをいざ受診すると、待合室は大半が女性でしたが、カップルも何組も居ました。不妊に悩んでいるのは自分だけではない。これだけ多くのカップルが悩んでいることなんだ…そう思うと少しホッとしました。

問診票に記入し、診察の後に精液検査へ。数本のAVが入った袋を渡され、個室を案内されました。さすがに集中しづらかったですが、ようやく取ったそれは普段より少なかったです。

後日、検査結果を聞くときは、まるで判決を待つような思いでした。結果は乏精子症。自然妊娠は難しいだろうとのことでした。

ゼロじゃなかった!もうそれだけでへなへなと力が抜けるようでした。
治療の余地がある。妊娠の可能性がある。彼女と大喜びしました。

その後、結婚3年目でタイミング療法にて奇跡的に自然妊娠、子どもを授かりました。

私の場合は兄夫婦が不妊治療をしたと聞いていましたし、自分自身が疑わしいと思っていたため受診につながりました。それでも受診までの葛藤は非常に大きいものでした。何の自覚症状もない人が受診に抵抗を感じるのは当然だと思います。

しかし、受診をしなかったらタイミング療法自体行っておらず、ずるずると先延ばしして子どもを授かるタイミングを逃していたかも知れません。事実、妊娠に関するタイムリミットなどは受診をして初めて知りました。

受診を経験して以来、周囲にそのことを話すことにあまり抵抗がなくなりました。自分から話してみると、案外周囲にも不妊治療を受けている夫婦が多いことに気付きました。

奥さんが40歳でタイムリミットが近づいていたり、治療が長年にわたっていたりする夫婦もいます。そうした夫婦からよく聞くのは、「もっと早く始めていれば…」。時間は巻き戻せません。後悔しないためにも、女性にだけ負担をかけ続けないためにも、男性が早期から積極的に関わることが重要なのだと思います。

  1. 不妊症とは
  2. 不妊症の半数は男性が原因に関与
  3. 男性不妊の原因とは
  4. 男性不妊の検査の実際
  5. 男性不妊の治療の実際
  6. 乏精子症と診断されて ~男性不妊の当事者から~
  7. 不妊症に関する公的支援

 

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